キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
「馬鹿なこと言ってるのは茉緒の方だろう? 茉緒はかわいくて料理上手で気遣いができて一緒にいるだけで癒されるんだ、男ならだれでも嫁にもらいたいと思うほど茉緒はいい女だ。(抱き心地も最高だし)」
「な、ちょ、いきなり褒め殺しですか? やめてよ恥ずかしい」
真面目な顔して褒めちぎるから照れてしまう。
智成がそんなこと思ってたなんて全然知らなかった。(もちろん心の声は聞こえない)
「茉緒がはじめに言ってきたんだろう? 陸翔が猫っかわいがりするほど大事にしてる妹を俺は獲ったんだから陸翔が反対するのもわかるよ」
優しく頭を撫でられてふと、心配になる。
「お兄ちゃんと智成は親友なのに、私のせいで仲違してるってことだよね?」
ふたりは大学時代からの親友で、私はつい数か月前に智成と出会ったばかりの新参者なのにふたりの中を引き裂くようなことをしてこんな心苦しいことはない。
「心配すんな。喧嘩してるわけじゃない。ただ意見が合わないだけだし、ちゃんと俺が認めさせてやるから」
それを聞いて少し安心した。でもお兄ちゃんが味方じゃないのはやっぱり辛いな。
「ねえ、お父さんに出された条件ってなに?」
「ん? ああ、まあ、あるプロジェクトがあってそれを成功させればいいだけ」
「私からお兄ちゃんに協力してって言おうか?」
ふたりがこれからも交際を続けていくためにも私も少しは協力したいと思って言ったのに智成は黙って首を振る。
「陸翔を納得させるのも俺に課された試練だから、茉緒はなにもしなくていい」
「でも!」
「暫く忙しくてなかなか会えないかもしれない。ごめんな、寂しい思いさせて、不安になるよな」
言い募る私の頭を囲うように自分の肩に押し付け抱きしめる智成になにも言うなと言われてるようで黙ってしまった。
私と智成のために私もお兄ちゃんを説得したいと思ったのに、私じゃやっぱりなんの役にも立たないんだろうか?

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