キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です


私の狭いベッドでふたりくっつきながら寝るのは窮屈だけど、とても居心地がいい。
腕枕をしてもらいながらこの間はあまり聞けなかった智成の仕事の話を聞いた。
秘書の仕事の傍ら例のプロジェクトの案件も抱えているために多忙で大変だと言いながら、出張で交渉に行き秘書として白川社長から学んだノウハウが役に立ったこと、白川社長の顔の広さに助けられたことなどどこか楽しそうに話していた。智成は伯父である白川社長のこと大好きですごく尊敬してるんだなぁと微笑ましく思う。
仕事は大変だけどやりがいを感じているという智成がいつになく素敵で見惚れてると「陸翔もやっぱり、行動が早くて助かる」とお兄ちゃんまで褒めてくれる。
お兄ちゃんの出張先を聞くとまたニューヨークで今回は部下も一緒らしい。
初めて部下を連れての出張で張り切っていたと智成は言う。
「私、お兄ちゃんと喧嘩したままなの。なんかこのままお兄ちゃんと話せなくなるんじゃないかと思ってちょっと不安」
「お前ら俺が妬くぐらい仲いい兄妹なんだからそんな心配いらないだろ? 陸翔もそれほど気にしてない。帰ってきたら拍子抜けするくらいいつもと変わらず話せるさ」
なんてことないと笑う智成にちょっとほっとしつつ、智成とお兄ちゃんのことも気になる。
「智成は、お兄ちゃんと喧嘩してないの?」
「してない。もっとも、文句は散々言われてるけどな。それくらいで喧嘩にはならないさ」
「なら、いいけど」
「茉緒は心配ばかりだな。そのうち禿げるぞ?」
くつくつ笑う智成に人の気も知らないでとむうっと頬を膨らませた。
その膨らんだ頬にいくつもキスをされ智成は私を見つめる。
「陸翔のことは心配すんな。それより、せっかくふたりきりなんだから、今は俺のことだけ考えてろよ」
「なにそれ」
「今すぐ、俺のことしか考えられないようにしてやろうか?」
急に智成は私の上に覆いかぶさると上から色気を醸し出した瞳で見つめてきて息を吞んだ。
「……ばか」
ときめく胸に反して文句を言うと、そんな私を見透かすように智成は妖艶に笑った。
迫る唇を受け入れればそこから愛しさが溢れてくる。キスの雨にくすぐったくてクスクス笑い、熱を分け合うように抱き合うだけですごく幸せだった。
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