キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
さすがに往来のある外で騒いで注目を浴びた私たちはお兄ちゃんを宥めて本来の目的であるベビーグッズのお店に向かう。
落ち着きを取り戻したお兄ちゃんは不貞腐れた顔しててもしっかり益木さんの手を握っていた。
「後で覚えてろよ、彩也子」
相当怒ってるらしいお兄ちゃんは益木さんの耳元で低く呻いて、それが聞こえた私は背筋が凍った。
「え? ちょっと、まさかお兄ちゃん益木さんに酷いことしないよね?」
「うっせえ、さっさと買い物済ませて帰るぞ」
ぷりぷり怒ってるお兄ちゃんに絶句。
でも益木さんのことは気遣ってるみたいだし、少しは機嫌を直してちゃんと買い物には付き合ってくれたし、智成も心配するなという。
でも買い物が終わるとさっさと益木さんを連れて帰って行くお兄ちゃんに一抹の不安が過った。

< 251 / 252 >

この作品をシェア

pagetop