キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
後日、お兄ちゃんたちをうちに招待すると仲良く遊びに来てくれた。
あの日以来の再会をした益木さんこと、彩也子さんも元気そうでちゃんとお兄ちゃんと交際していたのにはほっとした。
お兄ちゃんと智成は「女子は座ってろ」と私たちを気遣いソファーに座らせるとキッチンで料理の用意をしてくれている。
その間に私はあの日の後のことを聞いた。
「あの日大丈夫でした? すっごい心配だったんですけど。お兄ちゃんに酷いことされてません?」
「ええ、それはもう、大変でした……」
その言葉にギョッとしたけど、恥ずかしそうに頬を赤らめた彩也子さんは、うっとりとした顔でお兄ちゃんを眺めた。
それに気づいたお兄ちゃんは今まで見たこともないような蕩けた笑みで見つめ返し、彩也子さんは幸せそうにほうっとため息を零していた。
あ~、うん。そっか、そっか。
その先はなんだか照れくさいから聞かないでおこう。
智成もお兄ちゃんの蕩けぶりに気づいて顔を引きつらせていた。
そうよねその豹変ぶりは私も引くわ〜。
でも、とにかく幸せそうでよかったよかった。
これは近々本当にお義姉さんができそうだな、楽しみだ。
「ふう、熱い熱い」
肩を竦めた私はお兄ちゃんと彩也子さんのアツアツな熱視線に当てられて火照る顔を手で仰いだのだった。




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