政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
いつものように零士さんが聞いてくる。

「特には……」

今日も鞠子さんに遠回りで嫌がらせをされたが、それは彼に話すことではない。

「なら、いいが」

零士さんは笑っているが、たぶんだいたい知っているんだろうなー。

食後、零士さんは私を膝の上にのせてご機嫌だ。

「あの、ですね」

「ん?」

ちゅっと彼の唇が額に触れる。

「昔の会社の上司が、独立してお店を開くことになって」

「うん」

またちゅっと零士さんが私の額に口付けを落とす。
どうも、相槌を打つたびにキスするのはデフォルトになっているみたいだ。

「それで、パーティを開くそうなんです。
招待されたんですが……行ってもいいですか?」

おずおずと上目遣いで彼をうかがう。
レンズ越しに目の合った彼は、手で口もとを隠して顔を逸らした。

「……清華、可愛い」

「え?」

「可愛い、清華!」
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