政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「鴇田のままでいいですよ。
神鷹なんて誰も知らないでしょうが、もしバレたら面倒になりそうなので」

「嫁ぎ先はあの神鷹なのか!」

古手川さんは口笛を吹きかけたが、慌てて口を噤んだ。

「確かにバレたら、面倒くさそうだ」

くつくつおかしそうに笑いながら、彼が今度こそグラスを口に運ぶ。
理解の早い元上司で助かる。

「私が辞めたすぐあとに辞めたんなら、教えてくれたらよかったのに」

「んー、あの時点ではまだ、最終決断ができてなかったんだよな。
でも、後押ししてくれる人が現れて」

「それはよかったです」

思い出しているのか、古手川さんは少しだけ遠い目をした。

「それより鴇田の方はどうなんだ?
WEBショップ開設から許可を取ってはじめるとか言っていたが」

「あー、それがですね……」

ウェディングドレス作りの許可を出してくれたので、零士さんの衣装とあわせて二セット作製中なこと。
これができあがったらWEBショップの話をするつもりだし、許可も出そうな気がすること。

私の話を、古手川さんは笑って聞いてくれた。

「本当に旦那から大事にされてるんだな」

「はい、それはもちろんです」
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