政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
ふっと目を伏せた古手川さんはどこか淋しそうで、少し気になった。

一次会が終わり、古手川さんの店での二次会に誘われた。

「どうしようかな……」

今日は零士さんが帰ってくる。
それにあまり遅くならないうちに帰るように言われた。
ちらりと腕時計を確認したらまだ八時。
少しくらい、大丈夫かな……。

「ちょっとだけ、参加します」

「そうこなくっちゃ」

バンバン元同僚の女性が私の背中を叩く。

「鴇田さん、送別会一次会で帰っちゃったからあまり話せなくて、淋しかったんだよねー。
よし、今日は朝まで飲むぞー!」

……なんて皆さん盛り上がっているが。
なんか嫌な予感しかしない……。

古手川さんの店は表通りから一本入ったところにあった。

「凄くお洒落ですね」

コンクリート打ちっぱなしの二階建て、大きなウインドウの一階が店で、二階が事務所兼作業場だそうだ。

「改装費とかけっこうかかったんじゃないですか?」

独立を夢見る人も少なくないので、ツッコんだ質問が出る。

「んー、そこそこ?」
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