政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
返済できなかったときのペナルティは聞かされなかったが、それでも薄々ヤバい事態だとは感じていた。
それで追い詰められた古手川さんはあの日、私の飲み物に渡された薬を盛って寝落ちさせ、あの写真を撮ったそうだ。
さらに、手伝いしてやると零士さんのアドレスだというメモを渡された。
離婚を確実にしたい古手川さんは、零士さんにあの写真を送ったというわけだ。
「でも……」
零士さんはなんで、なにも言わないんだろう。
実はメールアドレスはフェイクで見ていないという可能性も考えたが、【これくらいで私が動揺するとでも?】とだけ返ってきたと言っていた。
それだけ私を信頼してくれている?
それとも心の底では軽蔑している?
どちらかは判断ができないが、前者だと信じたい。
それにしても、古手川さんを陥れたヤツが許せない。
『僕が殺されるのは自業自得だ。
鴇田を巻き込んですまない』
などと古手川さんは詫びてくれたが、悪いのはそこまで追い詰めたヤツだ。
どうすれば彼を救えるのだろう?
お金だけの問題なら、私が貸すことだってできる。
けれどそれにきっと、彼はうんと首を縦に振らないだろう。
そういう人間だと私は知っている。
だからこそ、私は尊敬していた。
「清華……?」
外から控えめにノックされ、手を止めた。
「帰ってきてから様子がおかしいって聞いたが……?」
様子をうかがうように、そろーっと零士さんが入ってくる。
「え、零士さん!?」
それで追い詰められた古手川さんはあの日、私の飲み物に渡された薬を盛って寝落ちさせ、あの写真を撮ったそうだ。
さらに、手伝いしてやると零士さんのアドレスだというメモを渡された。
離婚を確実にしたい古手川さんは、零士さんにあの写真を送ったというわけだ。
「でも……」
零士さんはなんで、なにも言わないんだろう。
実はメールアドレスはフェイクで見ていないという可能性も考えたが、【これくらいで私が動揺するとでも?】とだけ返ってきたと言っていた。
それだけ私を信頼してくれている?
それとも心の底では軽蔑している?
どちらかは判断ができないが、前者だと信じたい。
それにしても、古手川さんを陥れたヤツが許せない。
『僕が殺されるのは自業自得だ。
鴇田を巻き込んですまない』
などと古手川さんは詫びてくれたが、悪いのはそこまで追い詰めたヤツだ。
どうすれば彼を救えるのだろう?
お金だけの問題なら、私が貸すことだってできる。
けれどそれにきっと、彼はうんと首を縦に振らないだろう。
そういう人間だと私は知っている。
だからこそ、私は尊敬していた。
「清華……?」
外から控えめにノックされ、手を止めた。
「帰ってきてから様子がおかしいって聞いたが……?」
様子をうかがうように、そろーっと零士さんが入ってくる。
「え、零士さん!?」