政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「格好よくて惚れ直しそうだ」

今度は彼から、唇が重なった。

それでも古手川さんの件は私ではどうしようもできそうになかったので、零士さんにお願いした。

「んー、ちょっと気になることもあるしなー。
とりあえず一週間……いや四日でいいから時間をくれ。
明日からの上海行きもキャンセルできないからな」

夕食は、私が作れそうにないと気配を察知したのか、メイドさんが作ってくれていた。
本当に申し訳ない。

「それくらいは大丈夫……と思いたいです。
古手川さんにはなにかあったら連絡くれるようにお願いしておきます」

気になることって……私たちを離婚させたい理由だよね。
それは心当たりがありすぎて困る。
小さな理由なら、鞠子さんのようにただ単純に格好いい零士さんと結婚したい。
大きいのは零士さんと――神鷹家と婚姻関係になり、さらなる支配層になりたい。
そう考えている人間はたくさんいる。

「頼っておいてあれですが、大丈夫なんですか……?」

仕事だけでも忙しいのに、さらにこんな案件を抱えるだなんて。

「んー、そうだなー、大変かもなー」

なんだか棒読みな気がするのは気のせいですか?

「でも、清華がご褒美くれたら頑張れるかも」

私を見る目は、完全になにかを企んでいる。
嫌な予感しかしないが、これは私のせいなので聞くしかない。
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