政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
それは位置を変え、断続的に続いた。
〝ご褒美〟とは――私の身体に零士さんの〝印〟を刻むことだった。

「まだ、ですか……?」

身体が、奥深くから熱を持つ。
……なに、これ。
キスするときよりも、もっとジレる。

「んー?
本当はここにもつけたいけど……」

零士さんの手がゆっくりと私の足のあいだを撫でる。

「今日はまだ、我慢しておく」

仕上げとばかりに零士さんは唇を重ねた。
すぐに唇を割って舌が侵入してくる。
もうすっかり彼に慣らされ、さらには先ほどから焦らされていたのもあって、夢中になって彼を求めた。

「……はぁっ」

唇が離れ私の口から落ちたのは、酷くエロティックな吐息だった。

「キス、上手くなったな」

ご褒美だとばかりにもう一度唇を重ね、零士さんが離れる。
私も起き上がり、もそもそとシャツを掻きあわせた。

「これでやる気ができたから、頑張れる」

「あ……はい。
よろしくお願いします……」

ベッドを立った零士さんがパジャマを持ってきて、私にかける。
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