政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「零士さんの気が済んだのならいいです」

古手川さんを殴った彼は私のためだとは言ったが、自分の気持ちはぶつけなかった。
その彼がこれが嫌がらせだと言うのだ。
なら、それでいいと思う。

「清華は本当に可愛いな」

私を抱き締め、零士さんが口付けの雨を降らしてくる。

「零士さん、くすぐったいです」

「もっと清華を可愛がりたいが……それはすべてが片付くまで取っておくよ」

気が済んだのか零士さんが離れる。
〝すべて〟ってなんなんだろう?
あれで終わりじゃないのかな……?



翌日のお茶のお稽古に、零士さんは着いてきた。

「今日はどうしたんですが?」

今まで一度も、零士さんはお稽古どころか義実家へすら行かなかった。

「んー、たまには母に顔を見せとかないとな。
あまり顔を出さないと、生きているか心配されるんだ」

それは……ちょっとわかる、かも。
あの忙しさだ、連絡がなければ私だって過労死していないか心配になる。

「零士さんよ」

お稽古場に零士さんが着いた途端、その場が色めきだった
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