政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
そんな中で早々に鞠子さんは零士さんの隣を勝ち取って……譲られていた。
私と結婚してもなお彼女の、零士さんのお嫁さん候補ナンバーワンの地位は揺るがないらしい。
醜い争いの末、ようやく決まった人間が妬み恨みの視線に見送られて茶室に入る。
「清華は来ないのか?」
私がいないのに気づき、零士さんが外まで迎えに来た。
「あ、私は遠慮しておきます」
私の返事で、一気に零士さんが不満げになっていく。
「清華と一緒じゃないなら俺もあとでいい」
彼が外れ、茶室の中が大きくざわめいた。
零士さんがいないなら私も、なんて声も聞こえる。
「皆さん!
お稽古中ですよ!」
とうとう耐えかねたお義母さまが、ぱんぱんと大きく手を打ち鳴らす。
それでその場は静かになった。
「お稽古を再開します。
皆さん、お座りになって」
静かだが確実に怒りのこもったお義母さまの声で、茶室にいた人間が渋々ながら腰を下ろす。
「母上。
俺がいると皆が落ち着かないみたいなので、清華共々今日はお暇させていただきます。
父上によろしくお伝えください」
私と結婚してもなお彼女の、零士さんのお嫁さん候補ナンバーワンの地位は揺るがないらしい。
醜い争いの末、ようやく決まった人間が妬み恨みの視線に見送られて茶室に入る。
「清華は来ないのか?」
私がいないのに気づき、零士さんが外まで迎えに来た。
「あ、私は遠慮しておきます」
私の返事で、一気に零士さんが不満げになっていく。
「清華と一緒じゃないなら俺もあとでいい」
彼が外れ、茶室の中が大きくざわめいた。
零士さんがいないなら私も、なんて声も聞こえる。
「皆さん!
お稽古中ですよ!」
とうとう耐えかねたお義母さまが、ぱんぱんと大きく手を打ち鳴らす。
それでその場は静かになった。
「お稽古を再開します。
皆さん、お座りになって」
静かだが確実に怒りのこもったお義母さまの声で、茶室にいた人間が渋々ながら腰を下ろす。
「母上。
俺がいると皆が落ち着かないみたいなので、清華共々今日はお暇させていただきます。
父上によろしくお伝えください」