政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
彼の言うとおり、私たちの結婚とは〝そういうもの〟だ。
本人の意思は二の次、家同士の結びつきが大事。
令和の世に、とは思うが、私の生きる世界はまだまだそういうところなので仕方ない。

「まあ、これから仲良くやろう」

「はい、よろしくお願いします」

駐車場に着き、車に乗るように促された。
素直に助手席に座り、シートベルトを締める

「あの、とりあえず着替えさせてもらえると助かります」

「ああ、そうだな」

眼鏡の奥から零士さんが私を一瞥する。

「こういう予定だからそのつもりで、と言ったのに振り袖とはな」

もしかしたら両親は聞いていても、信じていなかったのかもしれない。
まさか見合い会場から攫われるように連れていかれるなんて思わない。

「一応、お見合いですからそういうわけにはいかなかったんですよ」

なんとなく、両親をフォローしておいた。

「ま、そうかもな」

それに対して零士さんも軽い調子だったので、あまり気にしていないのかもしれない。

途中で適当な洋服店に寄ってくれた。
セミカジュアルなお店だったのでいつもどおりデニムパンツを選びかけて止まる。
スーツの零士さんと釣り合わないし、神鷹の奥様としては……とか言われるかもしれない。
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