政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「零士さんも格好いいです」

私の準備ができたと聞き、零士さんが控え室に顔を出した。
できあがったドレスは自分で言うのもなんだが、惚れ惚れするほど素敵だった。
シルエットにこだわり、何度も試作し直した。
その甲斐あって、美しく私を引き立てている。
頑張ってよかったな。

「こんな衣装が作れるなんて、清華は凄いな」

褒められるのはなんか、くすぐったい。

「あの日、俺にキラキラした目で夢を語っていた清華が俺の妻だなんて、まだ信じられない」

零士さんの手が、そっと私の頬に触れる。

「私も初恋のお兄さんが私の旦那様だなんて、思ってもいませんでした」

目を合わせ、にっこりと彼に微笑みかけた。

「……神よりも先に、清華に幸せにすると誓う」

「私も零士さんを幸せにすると誓います」

唇を重ね、零士さんと見つめあう。
あの日、零士さんに出会えてよかった。
おかげで私は夢を追いかけられ、今ではこんなに幸せだ。

「そろそろ時間だな、先に行ってる」

零士さんが出ていき、迎えに来た係の方に連れられてホールへ向かう。
時間になり、父に手を取られて入場した。

今日は親しい知り合いだけの、小さな結婚式だ。
友人として鞠子さんも呼んだ。
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