政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「そうですね……」

アレルギーはないが、用心しておくに越ししたことはない。
チタンの中から、シンプルなボール状のものを零士さんは手に取った。

「石のついたちゃんとしたヤツは、俺が買ってきたあれが最初がいい。
だからこれ」

「はぁ……」

零士さんは真剣だが、そこまで?
しかしここまで彼から拘束されるのは嫌じゃない。
むしろ……。

ピアッサーを買ったあと、ドレスショップの前を通った。
ウインドウの前で零士さんが足を止める。

「清華のドレス姿、きっと可愛いだろうな」

想像しているのか、眼鏡の下で零士さんの目尻が下がる。

「零士さんのタキシード姿もきっと、格好いいですよね」

スーツ姿の零士さんはとても格好いい。
ならタキシード姿はもっと格好いいはず。
……あ。

「零士さんの衣装も、私にデザインさせてくれません……か?」

言ったものの自信はなくて、そっと彼の顔をうかがう。
目の合った彼はちゅっと私の額に口付けを落としてきた。

「俺の衣装も清華が作ってくれるとか、最高だな」

……それって私が作っていいってことなのかな……?

判断に迷っていたら、零士さんが私に頷く。
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