政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「期待しているぞ」

「はい、任せてください!」

零士さんは私の要望をなんでも叶えてくれるけれど、私はなにも返せていない。
ううん、まだ結婚生活ははじまったばかりなんだから、少しずつ零士さんを好きになると共に返していけばいいんだ。

食事は、寿司屋に連れてきてくれた。
昨日まで台湾だったから、日本食が恋しいのもあるのかもしれない。
……あ。
だったら昨日は、和食で夕食、準備しておくべきだったな。
私だってパリから帰ってきて食べたお味噌汁が、美味しいと思ったくらいだったのに。
気が利かない自分が嫌になる。

「零士さん、昨日の夕食は和食がよかったですよね?
……すみません」

隣に座る零士さんの袖をちょいと引き、おずおずと見上げた。

「いや?
清華が作ってくれるならなんだっていいが?」

なんでもないように言い、零士さんはオススメなんか聞いている。
それはそれでちょっと微妙だが……喜んでくれていたならいいか。
でも、次から気をつけよう。

寿司屋で零士さんは……マグロばかり食べていた。

「えっと……零士さん?」

四つ目のマグロのお寿司を口に運びかけて零士さんが止まる。

「どうした?」
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