今さら好きだと言いだせない
「なにか私に話があった? どこかで座って話そうか」
時計を見るとまだお昼休みの時間は残っていたので、とりあえず移動しようと提案してみたが、彼女はうつむきながらも小さく首を横に振った。
「すぐに終わるのでここで大丈夫です。ちょうど今、誰もいませんし……」
たしかに今このトイレには私たちふたりしかいないけれど、こんな場所で話していい内容なのだろうか。
話の途中で誰か入ってくるかもしれないのに。
やっぱり場所を変えない? と伝えようとしたら、溝内さんが勢いよく顔を上げて先に口を開いた。
「町宮さん、今まですみませんでした」
彼女が張りのある声を出し、それと同時に深く腰を折って頭を下げた。
なにが起こったかわからない私は、小さく「え」とつぶやいて、一瞬呆気にとられてしまう。
「溝内さん、頭上げてよ。どうしちゃったの?」
今にも土下座しそうな彼女を目にし、私はどうしたものかとあわてた。
なぜ急に謝られているのかわからないし、ここはトイレだし……。
「私、最近ずっと町宮さんにだけわざと嫌な態度を取っていました」
なんだ、そのことか。あれはやはり“わざと”だったみたいだ。そうだろうなと勘づいてはいたけれど。
でも、私としては今さら怒る気にも落ち込む気にもなれない。
時計を見るとまだお昼休みの時間は残っていたので、とりあえず移動しようと提案してみたが、彼女はうつむきながらも小さく首を横に振った。
「すぐに終わるのでここで大丈夫です。ちょうど今、誰もいませんし……」
たしかに今このトイレには私たちふたりしかいないけれど、こんな場所で話していい内容なのだろうか。
話の途中で誰か入ってくるかもしれないのに。
やっぱり場所を変えない? と伝えようとしたら、溝内さんが勢いよく顔を上げて先に口を開いた。
「町宮さん、今まですみませんでした」
彼女が張りのある声を出し、それと同時に深く腰を折って頭を下げた。
なにが起こったかわからない私は、小さく「え」とつぶやいて、一瞬呆気にとられてしまう。
「溝内さん、頭上げてよ。どうしちゃったの?」
今にも土下座しそうな彼女を目にし、私はどうしたものかとあわてた。
なぜ急に謝られているのかわからないし、ここはトイレだし……。
「私、最近ずっと町宮さんにだけわざと嫌な態度を取っていました」
なんだ、そのことか。あれはやはり“わざと”だったみたいだ。そうだろうなと勘づいてはいたけれど。
でも、私としては今さら怒る気にも落ち込む気にもなれない。