今さら好きだと言いだせない
私と芹沢くんの交際の噂は、意外にもそこまで広がってはいないらしい。
どうせ高木さんがあちこちでペラペラ喋るのだろうと思い込んでいたので、それについては失礼だったと心の中で謝罪しておこう。
「南帆、ごめん」
席をはずしていた燈子が自分のデスクに戻ってきたかと思えば、いきなり私に小声で謝ってきた。
私はわけがわからず、「どうしたの?」と首をかしげる。
「明日の飲み会の件、芹沢くんに言ってなかったんだね」
「あぁ……そうかも」
私たちは偽装カップルだから、本物の恋人同士みたいに毎日ラブラブなやり取りなどしない。
メッセージを送るとすれば用事があるときだけで、業務連絡のような感じだ。表面上は“恋人”という仮面をつけてはいるが、基本的に行動は今までとなにも変わってはいない。
それゆえ、飲み会の件は伝えておくべきなのかどうか迷って。結局今日まで話さないでいた。
「私、芹沢くんも知ってるんだと思って、うっかり喋っちゃった」
「隠すつもりはなかったし、ただ言ってなかっただけだから。大丈夫だよ」
「いや……芹沢くん、考え込んでね、自分も行くって」
燈子の言葉に驚いて、思わず「え?!」と聞き返した。
どうせ高木さんがあちこちでペラペラ喋るのだろうと思い込んでいたので、それについては失礼だったと心の中で謝罪しておこう。
「南帆、ごめん」
席をはずしていた燈子が自分のデスクに戻ってきたかと思えば、いきなり私に小声で謝ってきた。
私はわけがわからず、「どうしたの?」と首をかしげる。
「明日の飲み会の件、芹沢くんに言ってなかったんだね」
「あぁ……そうかも」
私たちは偽装カップルだから、本物の恋人同士みたいに毎日ラブラブなやり取りなどしない。
メッセージを送るとすれば用事があるときだけで、業務連絡のような感じだ。表面上は“恋人”という仮面をつけてはいるが、基本的に行動は今までとなにも変わってはいない。
それゆえ、飲み会の件は伝えておくべきなのかどうか迷って。結局今日まで話さないでいた。
「私、芹沢くんも知ってるんだと思って、うっかり喋っちゃった」
「隠すつもりはなかったし、ただ言ってなかっただけだから。大丈夫だよ」
「いや……芹沢くん、考え込んでね、自分も行くって」
燈子の言葉に驚いて、思わず「え?!」と聞き返した。