あの日に交わした約束は、思い出の場所で。
「じゃあ、変わらないのはこの公園ぐらいだね」

「変わらない」ことが「成長していない」と全部決めつけてしまうのは違う気がした。

この公園を見てると、「変わらない」ことの良さがなんとなくわかるんだ。

「たしかにな。ある意味すごいわ」

もう一度二人で公園を見渡した。この景色は安心する。

ここに来ると、肩の力が抜けて気が休まる気がする。

また二人でこの景色を見られるなんて、数ヶ月前までは夢にも思ってなかった。

もう遥とは、この先かかわることすらないと思ってたぐらいだから。

二人で来られる公園は、これが最初で最後だとしても、

……遥とまた、ここに来られてよかった。


ふと足元に目を向けると、余すところなく小さな白い花が咲き誇っていた。

だからその上を歩いてしまうのがかわいそうになるくらいだ。

「シロツメクサ、いっぱい咲いてるね」

「そうだな。昔、二人でよく摘んでたよな」

「あっ、私、久しぶりに四つ葉のクローバー探そ!」

足元に咲く花を見ていたら、突然そんな感情に駆られた。

「人の話聞けよ」

「遥も探すの手伝って」

「はいはい、お嬢さん」

「早く見つけたほうが勝ちね」

「やっぱり、奈央は子どもみたいだな」

遥は呆れたように笑った。


あれあれ?こんなに見つからないものだっけ……

小さい頃はすぐに見つけてた記憶があるんだけどな……

あー、それにしてもしゃがみすぎて膝と腰が痛くなってきた。ずっと同じ体勢でいるのは辛いな。

一度その場で立ちあがり、大きく伸びをした。広々していて気分爽快、気持ちがいい。
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