はなびら
「昨日の怪我大丈夫!?」
朝のホームルーム前に心配したさやが教室まで来てくれた。
「大丈夫だよ。あの後ちゃんと病院も行ったけど、関東までには治るって。」
私はさやの頭をポンポンした。
「良かった〜!」
さやの表情が明るくなるのが分かる。
するとさやは何かを思い出したかと思えば、なにやらにやにやし始めた。
「そういえばあの時の樋山先輩かっこよかったんだよ〜
テントが倒れてすぐに駆け寄って、友菜のことお姫様抱っこしてたんだから!」
ボンッと顔が赤くなるのが自分でも分かった。
「あらあら?
顔赤くしちゃって〜友菜は可愛いなあ〜」
からかってくるさやを早く教室に戻るよう催促し、教室に向かうさやを見送って机に突っ伏した。
私は救護室での出来事を思い出し、またさらに顔が赤くなった。
こんなに胸が高鳴るのはなんでだろう。
先輩っていう立場だから?
憧れみたいな感じなのかな。
窓の外を見ると、陸上部の中淳先輩と登校してくる樋山先輩を見つけた。
しばらく見ていると、樋山先輩がふと笑う。
その時、私は気づいた。
(私、先輩の笑った顔を独り占めしたいのかも。)