傾国の姫君
「いた。二人。その子供達も、殺されていた。」

私は思わず、目を瞑った。

ここにも、秦王に家族を殺された者がいたなんて。

「だから、秦王の暗殺なんて、企んだの?」

男は、じっと私を見た。

「ごめんなさい。軒下で聞いていたの。」

「そうか。だから、俺に付いて来たのか。」

「うん。」

すると男は、私に剣を投げ捨てた。

「これで、秦王を殺せるか?」

「私に!?」

「だから、付いて来たんじゃないのか。」

見ると、大きな剣だ。

これを二つも持って?

「できなければいい。他の奴を探すまでだ。」

「待って!」

私は、目の前に転がっている剣を、二つ持ってみた。

結構重い。

これで、あの秦王を倒す!


「いい瞳だ。」
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