傾国の姫君
庭に並ぶ、二つのお墓。

「慶文、正英。私にできるのだろうか。」

手をぎゅっと、握りしめた。

「私は、あの日の事を、未だに忘れていないよ。二人を殺した秦王が憎い。でも、女の身だからって、復讐を諦めていた。できるならば、あいつを殺してやりたい。」

私は、お墓の前で膝を着いた。

「憎い、あの秦王が憎い。」


目の前で、私の家族が殺されたと言うのに、眉一つ動かさなかったあの男。

まるで、私達の命を、虫けらみたいに扱った、あの男が憎い。

「私に、できる……?」

できる?と悩むんじゃない。

やってやるのさ。

「ふふふ……」

絶対に殺してやる。

夫と子供を簡単に殺したように、あいつも簡単に殺してやりたい。


決めた。

私は、あの道場の男を信じる!

剣を持って、舞を舞って、秦王の寝首を取ってやる。

私は、風が吹く中で、秦王への復讐を誓った。
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