傾国の姫君
翌日の早朝。

私は、机の上に一枚の置手紙をした。

【探さないで下さい。】

これだけ見れば、照葉さんは分かってくれるだろう。

下手に復讐をすると言って、秦王に密告されたら計画も無駄になる。

余計な事は言わないでおこう。


私は、もう一度だけ庭の墓を見て、家を出た。

「照葉さん、元気でね。」

そう言うと私は、荷物を入れた籠を背負った。

向かうは、あの山。

もう一度、あの階段を昇るのはキツイけれど、そんな事は言っていられない。


そして町を抜け、私は道場のある山へ向かった。

胸が逸る。

やってやる。

まだ半信半疑だけど、自分を信じて、前に進むのみだ。

やがて、私の前にあの階段が待ち構えていた。

「いつ見ても、険しい階段だね。」

ため息を一つついて、私はその階段を昇り始めた。

「はぁ、はぁ……」

途中で、息が切れたけれど、昇り続ければあの道場に着く。

終わりのない道なんて、どこにもない。

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