傾国の姫君
「約束しよう。それだけの術は、全て教える。」

「信じていいんだね。」

「ああ。」


男は、私の荷物を置くと、ついでにお風呂や便所など、台所なども教えてくれた。

「女、名前は?」

「孔心我。あんたは?」

「武類だ。」

「よろしく。」

私が手を出すと、類も手を出してくれた。


「早速だが、明日から舞を教えるぞ。」

「ああ。ビシビシ、教えてちょうだい。」

私は、張り切って拙い構えを披露した。

「その前に、やる事がある。」

「なんだい?」

「水汲みだ。階段の下に湧いている湧水を、汲んであそこの樽に入れる。」

「ええっ!?階段の下から!?」

私は一日目から、飛び跳ねるように驚いた。
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