傾国の姫君
「ああ、ありがとう。」

2日ぶりの風呂だ。

私は、風呂がある小屋に行った。

「私は風呂に入っている時が、一番安らぐんだよ。」

小屋に入ると、小さな脱衣所があった。

風呂桶も、大人が入るには、少し小さい。

「まあ、贅沢は言えないね。」

脱衣所で服を脱ぎ、桶で身体を洗い、風呂桶に入った。

湯加減もいい。

「ああ、気持ちいいねぇ。」

「そうか。」

外から声が聞こえて、私は慌てて胸を布で隠した。

振り返ると、窓が格子になっていて、類がこっちを見ている。

「なんだ。恥ずかしいのか。」

「当たり前だろ。女の風呂場を覗いていいもんじゃないよ。」

「違いない。」

分かってるんだったら、覗くな!

私は類に背中を見せると、首元までお湯に浸かった。
< 35 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop