傾国の姫君
私は香油を受け取って、部屋に戻った。

そう言えば私、夫以外の男の裸なんて、見た事がない。

あんな腹筋の割れた身体、初めて見た。


私は横になった。

何を考えているんだよ。

ここには、修行に来ているんだからね。


すると類が部屋に戻って来た。

「おい、心我。大事な話がある。」

「なに?」

起き上がると、類は私の側に座っていた。

余程大事な話なのか、類の顔が真剣だった。

私は改めて、類の前に座った。

「おまえ、男に抱かれた事はあるか。」

私は目をパチパチさせた。

「ああ、夫がいたからね。」

「それ以外は?」

「……いない。」

一体、何の話なんだろう。

「じゃあ、尚更必要だな。」
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