傾国の姫君
すると類は、突然私を押し倒した。

「何をするんだ!」

でも、類の力が強くて、跳ね返せない。

「思った通りだ。」

「えっ……」

私を見降ろす類は、野獣のような目をしていた。

「これから、王の寝所に行くと言うのに、そんな態度では、王も虜にできない。」

息が止まった。

私は、あの秦王に抱かれなきゃならないの?

「やっと、話が分かったか?憎い相手にも、抱かれなければならないという事だ。」

「ああ……」

それを知った途端、目から涙が出て来た。

嫌だ。

はっきり言って嫌だ。

なぜ夫を殺した男に、抱かれなければならないんだ。

「気持ちが付いて行かないのは分かる。」

すると類は、私の首に顔を埋めた。

「だが、心配するな。俺が、どんな相手でも虜にできるように、寝技を教えてやる。」

「えっ……」

「黙って俺に抱かれろ。」
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