若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~
「昨日は帰れなくてごめん。パーティー後に本社に戻ってソファーに腰掛けたところで、気が抜けてうっかり寝てしまった。心配をさせてしまっていたらすまない」
蓮さんからメッセージが届いたことが嬉しくてたまらない。
そして何より、私が見かけたあの後、本社に戻ったというのなら、蓮さんはひとりだったのが判断でき、大きくホッとする。
「いろいろ心配してました」
すぐに文字を入力し送信すると、それほど間を置かずに彼から返信がくる。
「お詫びに和菓子を作って持って帰る」
買って帰るじゃなくて、作るところが蓮さんらしいと、再び顔が綻び、彼への愛おしさで胸が熱くなる。
我ながら単純だと苦笑いしていた時、昨日一緒に夕食を食べた友理奈が従業員室に入ってきて目があった。
昨日のお礼を言わなくちゃと椅子から立ち上がろうとした私に、彼女の方が先に声をかけてきた。
「里咲ちゃん、お客様が来てるわよ」
まさか蓮さんが来ているのかとドキリとしつつ、サンドイッチをそのままに私はゆっくりと歩き出す。
「だ、誰だろう」
「渡瀬っていう綺麗な女の人」