若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~


「ごめんなさい。私、本当は体調なんて悪くなくて」

「そういうことだったのね。あの子、蓮のこと好きよね? 見てるとハッキリ分かるし、里咲ちゃんがいてもお構いなしだし。見続けさせられたら、体調くらい悪くなるわよ」


優しく笑いかけられ、思わず涙が込み上げてくる。

言葉を選びながらも、私は自分の気持ちをぽつぽつ話し始める。


「蓮さんと渡瀬先輩は昔から仲が良かったし、私より、彼女を大切に思ってるんじゃないかなって」

「蓮が航君と三人でつるんでたのは知ってるけど、私には彼女に対してあまり関心がないように見えるけど」

「……そうでしょうか」


渡瀬先輩から蓮さんとひと晩一緒にいたと聞いているし、その証拠のように蓮さんのネクタイも手元にある。

腑に落ちない顔を浮かべていると、璃子さんは気まずそうにしつつ話を続ける。


「実はね、蓮の様子がおかしかったから、私ちょっと言い過ぎたかもって反省してたところだったの」


話が見えなくて僅かに首を傾げると、苦笑いで返された。

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