若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~
「でも今日は家に帰るんでしょ? ものすごく嬉しそうにしてたわ。さっき渡瀬さんがいたけど、蓮は里咲ちゃんが好きなものたくさん買って帰るんだって張り切ってた。仕事が立て込んでるはずなのに店に買いに来てたくらいだから、きっと里咲ちゃんと和菓子のことで頭がいっぱいだったと思うわよ」
私はまだ蓮さんの口からちゃんと話を聞いていない。
決して逃げださず、すべての不安をぶつけてちゃんと彼と向き合おうと、改めて決意した。
コーヒーをご馳走になり、励ましてくれた璃子さんに深く頭を下げた後、今度は私からお誘いさせてくださいと約束して店を離れた。
不安に揺れながら三日ぶりに蓮さんと暮らす家に足を踏み入れた。
「ただいま」と呟きながらリビングへ進み、明かりを灯す。
いつも通りスッキリしている室内を見回してからダイニングテーブルにバッグを置いて、何気なくキッチンに向かい、入り口で思わず足を止める。
キッチンの作業台の上に蓮さんが作ったと思しき練り切りが大量に残されていた。
しかも、形はどれもいびつだ。
これらは本当に彼が作ったものなのだろうかと疑問に思っていると玄関の開錠音が響き、蓮さんが足早に入ってきた。