若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~

現金支給ではなく、食事を奢るという作戦に出たことに、私はほんの一瞬言葉を失う。

驚いたのはもちろんだけど、それよりも蓮さんと食事ができることが嬉しかったのだ。

見返りを求めて切り出した提案ではないため、本来ならそれも断るべきなのだろうけど……胸の高鳴りが拒否することを拒んだ。


「わかりました、それで手を打ちます。月に一回、お食事しに行きましょう!……ふふっ、楽しみ」


興奮気味に返事をした後、思わず気持ちを言葉にしてしまい、しまったと顔を強張らせる。

私の声はしっかりと蓮さんに届いていたようで、彼はちょっぴり驚いた様子で私を見ていた。

嫌がられたらどうしようと不安になったけれど、意外にも微かながらも温かな笑い声が続いた。


「どこで食べるか考えといてくれ。……それじゃあ、行ってくる」

「行ってらっしゃい」


惚けたまま言葉を返し、私は無意識に熱い頬に触れる。笑い声と共に、彼が私に微笑みかけたのだ。

バタンと玄関の扉が閉まる音が響いた後、堪えきれずに笑顔になる。

あくまでも自分たちはドライな関係だと言わんばかりの態度を取られて落ち込むこともあるけれど、こうして時々ご褒美のような瞬間が訪れるたび、胸がひどく熱くなる。

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