若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~
すらりと背が高く、黒髪に切長の瞳、色白の美麗な見た目。
実家は高級老舗店として名が通っている和菓子屋『ヤツシロ』。
男子と女子で分かれてはいるけれど、同じバスケ部に所属していたため、私もその姿をよく目にしていたし、もちろん素敵だなと思っていた。
けれど、蓮さんは容姿が整いすぎているからか少し冷たくも見え、見た目同様フレンドリーな性格ではないため気軽に話しかけられる存在ではなかった。
密かに憧れてはいたものの、私自身も、気にせず自分から話しかけていけるようなタイプではないため挨拶するので精一杯。
チャンスを逃さず話しかけ、名前を覚えてもらっていた女子バスケ部の同級生たちがとても羨ましかった。
一貫校であるため高等部へそのまま進学して、その後、私と蓮さんの関係が近づくことになる。
女子バスケ部がなかったため男子バスケ部のマネージャーを希望し、私は訪れた体育館で蓮さんの姿を目にすることに。
男子バスケ部には蓮さんを始め、容姿の目立つ男子生徒が数多くいたため、希望する女子生徒が多く集まり、その年のマネージャー争奪戦は熾烈だったらしい。