若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~
「何も持ってなかったって言ってたけど、買わなかったのか? でも必要なのだろう。いくつか見繕って、今からそっちに届けようか?」
「ふたりで仲良く届けに来るつもりですか? もういっそ、私との関係など解消してしまえば良いのに」
「……富谷」
唖然と響いた彼の声にハッとし、嫉妬と苛立ちから投げつけてしまった言葉に後悔がわき上がる。
「お、お茶請けは他のお店で購入したので大丈夫です。……ご、ごめんなさい」
声を震わせて謝罪をして、通話を切る。
言ってはいけないことを言ってしまったと、頭を押さえた。
今ので煩わしく思われてしまったことだろう。
今夜、彼が帰ってきたら、この生活の終わりを宣告されるかもしれない。
すべて終わってしまう。
心で泣きながらも顔は笑って、その日の残りの仕事をなんとかこなした。
いつもはすぐに帰宅するのに今日はそんな気持ちになれなくて、裏庭の大岩に腰掛けてぼんやりと暮れゆく空を見上げていた。
いつかは終わる関係だとわかっている。