若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~
「れっ、蓮さん、落ち着いてください」
「無理だ」
口づけを繰り返す唇に首筋をなぞりあげられ、痺れるような甘い感覚が体を駆け抜けた。
逃げるように身じろぎすれば、手首をぐっと掴まれる。
「俺たちは結婚を約束してるんだ。これくらいで驚くなよ」
吐き捨てられた言葉の冷たさに顔を強張らせると、蓮さんが苛立ったように私から目を逸らした。
「俺に抱かれるのがそんなに嫌か。あいつが良いのか」
苦しげに吐露された気持ちに車の中でついた嘘を思い出し、ぶんぶんと首を横に振る。
「高梨君はただの同僚です」
半ば叫ぶように懺悔すると、蓮さんは僅かに目を大きくさせる。
表情にいつもの冷静さが戻ってくるも、やっぱりまだ少し納得いかない顔をする。
「あっちは、富谷を特別に想っているみたいだったけど」
「私は特別な感情を持っていないので、彼とは何もありません。婚約解消した方がいいと思ったのは別の理由からです」
「どんな理由?」
言ったら呆れられるだろうと黙ったが、彼の強い眼差しに促されて、胸の内を話す覚悟を決める。