若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~
そこには和洋中、様々なレストランの情報が画像やURL付きで並んでいて、最後に「俺の行ってみたい店リストだ。奢ってくれ」とひと言添えられている。
これらの送信主は「航」。溝田先輩で間違いないだろう。
「お店、たくさん知ってるんですね」としみじみ呟いた瞬間、蓮さんのスマホに溝田先輩から着信が入り、それをスピーカーで受けた。
「蓮、おはよう。できるだけ多く教えてくれって言ってたからそれなりに送ったけど、これくらいでいいか?」
「お前の行きたい店は聞いてない。この中で実際に行ったことがあって良かった店を教えてくれ」
蓮さんが鋭く切り返すと溝田先輩から「あはは」と楽しげな笑い声が響き、思わず私もクスッとしてしまう。
「用途は何だよ。仕事の接待とデートではおすすめの店が変わってくるぞ」
「里咲とデートだ。雰囲気が良い場所を頼む」
聞いているこっちが赤面し、続いた溝田先輩の「おおっ」というどよめき声も少しばかり気恥ずかしそうだというのに、蓮さん本人は真剣そのもので少しの照れも感じられない。
「デート場所のことで頼ってくるなんて初めてだな……あぁそうか。昨日、富谷の様子がいつもと違ったし、やっぱり千秋のことで怒らせちゃったんだな」