若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~
蓮さんのことを色々聞かれたり、同僚たちの恋愛話を聞いたり、別れが近いことを時折実感させられ寂しくなったりしながら、夕食の時間を楽しく過ごした。
食事を終えて四人で店を出る。
入り口のそばで数分話し込んだあと、うちふたりはバスに乗って帰るため、それほど離れてない所にあるバス停へ四人で移動する。
「本当だったら私たちが里咲さんを駅まで見送るべきなのにすみません」とバスで帰宅組の年下ふたりが頭を下げ、私は「良いのいいの」と両手を小刻みに横に振る。
バスの時間まであと十分ほど。
この前高梨君が厨房で作ったアップルパイがとてもおいしかったという年下ふたりの話に「彼は何でも作れるのね」と言葉を返した時、不意に道路を挟んで向こう側の通りに目が向く。
いくつか飲食店が並んでいて、バス停からちょうど斜め向かいに位置するレストランからスーツ姿の人々がぞろぞろと出てきた。
その中のひとりに蓮さんの姿を見つけ、ドキリと鼓動が跳ね上がる。
食事会があるとは聞いていたが、こんなにすぐ側で行われているとは思いもしなかった。