夜風のような君に恋をした
読む余裕なんてあるはずもなく、私はメッセージアプリを開こうともせずに、再びポケットにしまおうとした。
だけどふとあることに気づいて、手を止める。
芽
衣のメッセージアプリで見た、”市ヶ谷”という文字が、頭の中によみがえったからだ。
市ヶ谷冬夜は五年前に亡くなっていた。
じゃあ、芽衣がつき合っている、冬夜にそっくりなK高の彼は誰?
――『親と口きかないから、弟に心配されてるくらいだ』
そして私は冬夜のそんなセリフを思い出して、弾かれたように顔を上げた。
だけどふとあることに気づいて、手を止める。
芽
衣のメッセージアプリで見た、”市ヶ谷”という文字が、頭の中によみがえったからだ。
市ヶ谷冬夜は五年前に亡くなっていた。
じゃあ、芽衣がつき合っている、冬夜にそっくりなK高の彼は誰?
――『親と口きかないから、弟に心配されてるくらいだ』
そして私は冬夜のそんなセリフを思い出して、弾かれたように顔を上げた。