気づけば君が近くにいてくれた



「さっきからちょっと気になってたんだけど、実桜ちゃん、スマホ気にしてるよね?」


「え……」



そんなところ、まさか香純ちゃんに見られていたとは思わなかった。


香純ちゃんの言う通り、勉強会中、何度もスマホの通知を気にして見ていた。



「もしかしてなんだけど……実桜ちゃんの彼氏、とか?」



突然小声でそう呟いた香純ちゃん。



「か、彼氏っ!?」



最近で1番大きな声が出てしまったかもしれない。


だって、香純ちゃんが予想外の言葉を口にしたんだから、仕方ない。



「彼氏なんかじゃないよ!」



慌ててそれには否定する。


私が気にしていたのは、アオイさんからの返信。


最近忙しいみたいで、前なら夕方には朝私が送ったメッセージに返信が来ていたのに、夜になってから返ってくることが増えた。


生活の仕方は人それぞれだし、アオイさんだって青春真っ盛りの高校生。


友達と遊びに行っていたり、部活やバイトだったり、もしかしたら前に言っていた好きな人と放課後デートしているのかもしれない。


そうわかっていても、返事がなかなか返ってこないとソワソワしてしまうのだ。




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