廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
4、意地とプライド

食事が済むと、私とおばあ様はサロンの方に移動した。
ここは主に女性同士の社交の場となっている。
男子禁制、というわけではないらしいけど、なんとなく女性しか集まらないのだとか。
話の内容も、流行りのドレスの型だとか、美味しいお菓子のお店など他愛もない話題が多い。
しかしその実態は……マウントの取り合いで、なかなかどうして愛憎渦巻く激しい世界だそうな。
私とおばあ様がサロンの中央で寛いでいると、ある貴族令嬢の一団がやって来た。

「カトレア・エスカーダ様、平癒、おめでとうございます」

最初に言葉を発したのは、深い青色のドレスを纏った令嬢である。
最前列中央に立ったその令嬢は、不敵に笑うと、芝居じみた礼をした。
他の令嬢が、それに倣って礼をするのを見て、彼女がきっと「ボス」なのだと思った。

「ありがとう。アラス公爵令嬢」

おばあ様は冷静に微笑み返すと、私に目配せをした。
事前に打ち合わせをしていたので、主要な貴族の名前は頭に入っている。
< 105 / 228 >

この作品をシェア

pagetop