廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「一体何が……え、ルキア様!?」

ダリオンに抱えられている私を見て、トマスは仰天した。

「ルキアの足先を見てくれ。折れているかもしれない」

「それは大変だ……わかりました。早く診察室へ!」

トマスの後を追い、ダリオンと私も診察室へと向う。
白い診察台に下ろされた私の靴をゆっくりと脱がせ、トマスは診察を開始した。
ユーディリアに踏まれた足の中指は赤く腫れ上がっている。
自分で動かしてみようとすると、激痛が走り苦痛が伴った。

「足を挟んだのですか?かなり痛かったはずですが……」

トマスはゆっくり患部を観察している。
私の表情を見ながら、どの部分に痛みがあるか、確かめているみたいだった。

「どうなんだ?折れているのか!?大丈夫なのか!?」

ダリオンが言った。
さっきから感じていたけど、彼はとてもイライラしている。
でもそれは、私に対してではないことに気付いていた。

「恐らく、折れてはいないでしょう。しかし、ヒビが親指以外の四本に入っているようで……」

「四本、全てにか?」

「はい。あの……馬の蹄鉄にでも踏まれたのですか?かなりの圧がかかったように思えますが……」

トマスはダリオンの様子を窺いつつ尋ね、直後、黙り込んだ。
無表情がトレードマークの大英雄ダリオン。
その彼が、今は、誰もがわかるくらいの怒りの表情なのだ。
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