廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「申し訳ありません!ダリオン様!ご迷惑をおかけしましたっ!」

先手必勝、謝るなら潔く!
そう思い、私は頭を下げた。

「それはいい。だが、聞きたいことがある」

「は?はい。なんなりと……」

こうなった原因を、事細かく聴取されるのよね、たぶん……。
ダリオンは先程までトマスが座っていた椅子に座ると、真正面に私を捉えた。

「どうして泣かないのだ?」

「……は?」

「子供とは……痛ければ泣き喚く生き物だろう?」

「ええ、まぁ……」

思いがけない問いに、言葉に詰まった。
原因を聞かれない上に「どうして泣かないのだ」なんて、意味がわからない。
子どもは痛ければ泣く生き物?
それはそうでしょう……あっ!?
もしかして、私、子どもらしくないと怪しまれているのでは!?
まずいわ……中身が三十過ぎだと知られてはいけないっ。

「ダリオン様っ!あの、あのですね……」

子どもの中にも、我慢強い子はいます!
それが何を隠そう、私ですっ!
と、弁解の言葉を用意したのにダリオンから返って来たのは、以前も聞いたある言葉だった。
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