廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
6、争いの結果

ダリオンと診療所をあとにし、エスカーダ邸へ帰ると、玄関付近に灯りが見えた。
ミレイユが外でランタンを持ち、待っていたのだ。

「ああ!ルキア様っ!ケガは大丈夫でございますか?カトレア様を迎えに行ったエレナから事情を聞いて、心配していたんですよ!」

彼女は私とダリオンを見つけると、駆け寄り叫んだ。
馬を降り、淡々と邸内へと入っていくダリオンに抱えられながら、私はミレイユに答えた。

「ごめんね、心配かけて。でも大丈夫。足の指にヒビが入っているけど、折れていないそうよ。だいだい一ヶ月くらいで完治ですって」

「ヒビ……一ヶ月……」

呟いたミレイユの表情に怒りが満ちた。
出会ってから今まで、彼女の怒った表情など見たことはない。
珍しいな、と思いながら、私は一番気になってることを尋ねた。

「おばあ様の具合はどうかしら」

「お疲れのようでしたので、すぐにお休みになりました」

「そう……おばあ様に申し訳ないことをしてしまったわ。私がお使いをこなせなかったせいで迷惑を……」

「そんなことありませんっ!ルキア様は悪くないです!」

ミレイユは突然声を荒らげた。

「でも、私が挑発に乗ったから……」

「たとえそうだとしても、レグナント国の公爵令嬢ともあろう者が、幼いルキア様にこんな大ケガをさせるなんて、決してあってはならないことです!淑女失格です!」

「ミレイユ……」

目を潤ませながら訴える彼女を見て、心底自分の迂闊さを悔いた。
小さな意地が、みんなに心配をかけることになってしまったのだ。
ダリオンの言うとおり、今度からはもっと思慮深く行動しなくては。
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