廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
4、王太子妃の病

観劇の日から数日後、エスカーダ邸に王宮から使者がやって来た。
王太子妃付きの侍従だという初老の男は、おばあ様へあることを相談に来たという。
最初は二人で応接室で話していたけれど、暫くして何故か私が呼ばれた。
複雑な表情のおばあ様の隣に腰掛けると、前には困った顔の侍従が……。
これは、きっと悪い話だわ、と私は身構えた。

「ルキア。ここからは家の者以外には他言無用よ」

「は、はい。承知しております」

真剣な眼差しのおばあ様は、いつもより迫力がある。

「では、侍従。もう一度話をしてあげて」

「畏まりました。ルキア様、私は侍従のマイラーと申します。実は……ルイザ妃殿下が御体調を崩されたのです。胸の動悸が激しくなったり、頭痛がしたり、疲労感が酷かったりとどれも辛い症状で……」

「まぁ、それはお気の毒に……一体何のご病気なのですか?」

「全くわからないのです。症状を緩和するために、セドリック殿に薬湯を作ってもらったりしているのですが、原因がわからなくては薬湯も効果が半減してしまうらしく、我ら一同、気を揉んでいるのです」

その話を聞いて、この間のセドリックの言動と行動に合点がいった。
< 144 / 228 >

この作品をシェア

pagetop