廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
5、物語の続き

馬車で劇場へと向かうと、ちょうど午前の公演が終わり、沢山の人が出て来るところだった。
アルカディア劇団のお芝居は、連日大盛況。
毎日通うリピーターは圧倒的に女性が多く、みんな泣き腫らした目で劇場から出てくる。
悲恋と永遠の愛、このお芝居のテーマが乙女心に突き刺さり、大きな話題を呼んでいるとか。
ルイザ様もきっと流れてくる評判を聞いて、見たいと思ったのだろう。
私とエレナは人がいなくなった劇場へと足を踏み入れた。
ロビーには関係者数人しかおらず、そのなかに支配人の姿があった。

「こんにちは。ルーデンバーグ支配人」

「おお!これはルキア様ではありませんか!はて?本日エスカーダ様の予約は……」

おもむろに手帳をめくりだす支配人を私は止めた。

「今日は別件で来たのです。あの、座長さんに会いたいのですが……いらっしゃいますか?」

「アレスト様ですか?どうでしたかな。あの方はたまにどこかへ出掛けていることもあり……ちょっと見てきましょう。暫くお待ちいただけますか?」

「勿論です。ありがとうございます」

支配人は頷くと劇場裏手へと姿を消した。
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