廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「私の我儘を聞いてくれて、本当にありがとう。ここ最近、体調が優れなくて皆に心配をかけてしまったわ……なんとか笑顔になって、皆を安心させたいの」

「そうだったのですか……」

健気なルイザ様を見て、やはり彼女は優しい人なのだと確信した。
巷の噂を信じて、自分が元気になりたいためにお芝居を見たいと言ったんじゃない。
周りのみんなに心配をかけまいと……。

「ふふ。ずっと楽しみにしていたの。折角だから、ナリスも誘ったのだけど、何か用事があるらしくて。ルキアとナリスは姉妹でしょう?久しぶりに会いたいかと思ったのだけど」

その瞬間、ゾクリと肌が粟立った。
「ナリス」という名前を聞いたからだ。
今まで、すっかり忘れていたけど、ナリスはローレウス王太子殿下の側室になっていたのだった。
この王太子宮のどこかに、ナリスがいる。
そう思うと、血の気が引いた。

「ルイザ様は、ナリス様と仲がよろしいの?」

おばあ様はそっと私の側に来て肩に手を置き、何気なく話に混ざった。
フェルナンシア王宮でのことは、ダリオンやおばあ様、エスカーダのみんなには話してある。
だから、おばあ様は私を気にかけて下さったのだ。
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