廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
食堂では、セルジュとエレナが恭しく立っている。
長く広いテーブルのいつもの席に座ると、すぐにエレナが前菜を出してくれた。
「エスカーダ風サラダでございます」
色とりどりの温野菜に、すりおろしたニンジンドレッシングがかかるサラダは、素材が全てエスカーダ産である。
どれもこれも、王都にも出回らない最高級のものだとローリーが言っていた。
「……うんっ!お野菜すごく美味しい!」
一口食べて正直に感想を言うと、セルジュの後ろで見ていたローリーが破顔する。
それを見て、エレナもミレイユも微笑み、食堂は一気に暖かい雰囲気に包まれた。
しかし、その雰囲気の中、目の前に寂しく置かれている食器類が目に入り手を止めた。
公爵邸に来た日からずっと、準備だけされているカトラリー類とお皿。
それが誰のものであるのかは知っているけど、触れてはいけないことのようで軽く口には出来ない。
すると、私の視線の先に気付いたエレナがゆっくりと言った。
「カトレア様は今日も別宅で召し上がるそうですわ……」
「あの……カトレア様はどうしてこちらに来ないの?」
良いタイミングだ、と思い聞いてみると、今度はセルジュが答えた。
「カトレア様は、たび重なる不幸により、大切な人を沢山失くされたのです。さらに追いうちをかけるように視力まで弱くなり、自室から出なくなってしまいました」
長く広いテーブルのいつもの席に座ると、すぐにエレナが前菜を出してくれた。
「エスカーダ風サラダでございます」
色とりどりの温野菜に、すりおろしたニンジンドレッシングがかかるサラダは、素材が全てエスカーダ産である。
どれもこれも、王都にも出回らない最高級のものだとローリーが言っていた。
「……うんっ!お野菜すごく美味しい!」
一口食べて正直に感想を言うと、セルジュの後ろで見ていたローリーが破顔する。
それを見て、エレナもミレイユも微笑み、食堂は一気に暖かい雰囲気に包まれた。
しかし、その雰囲気の中、目の前に寂しく置かれている食器類が目に入り手を止めた。
公爵邸に来た日からずっと、準備だけされているカトラリー類とお皿。
それが誰のものであるのかは知っているけど、触れてはいけないことのようで軽く口には出来ない。
すると、私の視線の先に気付いたエレナがゆっくりと言った。
「カトレア様は今日も別宅で召し上がるそうですわ……」
「あの……カトレア様はどうしてこちらに来ないの?」
良いタイミングだ、と思い聞いてみると、今度はセルジュが答えた。
「カトレア様は、たび重なる不幸により、大切な人を沢山失くされたのです。さらに追いうちをかけるように視力まで弱くなり、自室から出なくなってしまいました」