廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
4、突然の来訪

マイラーの去った応接室は、静まり返っていた……が!各々の表情はバラエティにとんでいた。
ニヤニヤ笑うおばあ様。
いつも通り、表情の乏しいダリオン。
そして、ポカンとしてバカみたいな顔の私。
……である。
果たして、ダリオンは本当に心配してくれたのか、それとも違うのか。
本人の顔色が読めないので、真相はわからない。
でも、気にかけてくれたのは事実のような……。
やっと、少しは迷惑にならず、爪の先ほどくらいは信頼してもらえるようになったのかしら。
思わずニヤける頬をパチパチと叩いていると、けたたましく応接室の扉が叩かれた。

「はぁ……今日は一体何なのかしら。次から次へと慌ただしいわ」

おばあ様はため息を吐くと「お入りなさい」と声をかける。
すると、不安げな顔のエレナの後ろから、なんとトマスが顔を覗かせた。
彼の顔色は悪く、とても慌てた様子である。
何か大変なことが起こったのかも、と思ったのは、おばあ様やダリオンも同じだったらしい。

「トマス!?どうしたの!?とにかく早くお座りなさい!」

おばあ様は椅子を勧めた。
しかしトマスは椅子に座ることなく、ふらふらとおばあ様の前に進むと、ガクンと膝を折ったのだ。
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