廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
エスカーダ邸から南下して暫くゆくと、商業区との境目に着いた。
そこには武装国家レグナントが誇る第二の検問がある。
大きな石で組まれた厳つい見張り台の上には、門番と軍の兵士がいて、通過する人物に目を光らせていた。
通常はもう少し警備が緩やかなはずだけど、今日は厳戒態勢が敷かれている。
これは、セドリック探索のため?でも、それだと少しおかしい気もするわ。
ルミナリエス内で消えたセドリックの探索なら、検問の警備強化は関係ない。
むしろ、警備の人員を探索に割くべきである。
不思議に感じたけれど、もしかしたら、慎重なダリオンが念のためにと指示したのかもしれない。
一人納得した私は、門番に通過の許可を得たローリーの隣を目立たないように歩いた。
すると、ちょうど見張り台を潜り抜けた所で、兵士たちが一斉に槍をガチンと鳴らす。
何事かとローリーを見ると、彼女は満足そうに頷いていた。

「驚きましたか?兵士のみなさんは、エスカーダのルキア様に敬意を表しているのです」

「えっ!?」

驚いて目を上げると、兵士たちが私に敬礼を返していた。

「な、なんで私に敬意を?」

「だって、将来大英雄ダリオン様の妻になる方ですし、なんてったって、女神ですもの!」

前半はなんとか納得出来る答えだったけど、後半は納得しかねるわ!
もう!女神じゃないって、何度言えばわかるんだろう。
複雑な心境の私とは裏腹に、ローリーは意気揚々と歩を進めた。
そうして、道なりに行くと、円形の広場に出た。
中央に噴水。所々に休憩できるベンチがあり、その奥に巨大な建物が見えた。

「ここが国立博物館です。どうやら今日は休館日のようですね」

ローリーが建物を指差し言った。
博物館の正面には閉館中の看板がかけられ、広場に人影は疎らである。
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