廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
6、非情な真実

「そうですわね。では聞いてみましょう」

私とローリーは探るように馬車に近づいた。
綺麗に刈り込まれた植木の向こうに、茶色の幌が掛けられた馬車がある。
遠くから見ていた時は、小さいと思っていたけど、近くで見るとわりと大きい。
大人なら詰めて座って十人、子供ならその倍は乗れそうである。

「おや。どなたかな?」

突然背後から声がかかり、私とローリーは驚いて振り向いた。
そこにはフードを目深にかぶり腰を曲げた老人の男がいて、眼光するどくこちらを見ていた。

「あ、あの……造園師の方、ですか?」

ローリーが疑うように尋ねた。
造園師にしては、年を取りすぎている。
あの曲がった腰では、この広い庭園での作業はどう考えても無理。
きっと、ローリーもそう考えたのだ。

「……ええ、そうですよ」

ーー嘘だ。
わずかな違和感を私は感じ取った。
演技をしている人間と、そうでない人間の差は普通の人ではわからないけど、私にはわかる。
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