廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「当然だ。私の国で私の婚約者を拐おうなどと考える奴らには、死さえも生ぬるい。だが、生かして捕らえろと言われているから手加減をしてやったのだ!不本意だがな!」
ダリオンは腹立たしげに言った。
「婚約者」と断言してくれたのが嬉しいと思いつつ、私は、彼の話の内容が心に引っ掛かっている。
「生かして捕らえろ」とダリオンは言った。
それってつまり、上からの指示があったということよね?
このレグナントに、ダリオンより権限をもつ人間はそういない。
国王陛下や王族の方々。
その辺りで指示があったとすれば、もう一人しか考えられない。
ユグリス王子だ。
でも、その理由がわからない。
どうして彼がそんな命令を出したのか……。
数々の余罪がある奴隷商人の命を保証するなんて、ユグリス王子らしくない。
もうわからないことが多すぎて、頭がパニックになりそう。
お母様のことだって……。
一気に情報が流れ込んで来て、何から考えていいかわからない。
「エスカーダ邸に着くまで、少し寝るといい」
頭上からダリオンの声がした。
先程までの不機嫌さは消え、穏やかな目で見下ろす彼の腕の中で、私は素直に目を閉じた。
思いの外、気が張っていたらしく、目を閉じるとすぐに意識が遠退いて行く。
難しい話はあとで考えよう……きっと、みんなが私の力になってくれると思うから……。
暖かく逞しいダリオンの胸に体を預け、私は安心し切って眠りに落ちた。
ダリオンは腹立たしげに言った。
「婚約者」と断言してくれたのが嬉しいと思いつつ、私は、彼の話の内容が心に引っ掛かっている。
「生かして捕らえろ」とダリオンは言った。
それってつまり、上からの指示があったということよね?
このレグナントに、ダリオンより権限をもつ人間はそういない。
国王陛下や王族の方々。
その辺りで指示があったとすれば、もう一人しか考えられない。
ユグリス王子だ。
でも、その理由がわからない。
どうして彼がそんな命令を出したのか……。
数々の余罪がある奴隷商人の命を保証するなんて、ユグリス王子らしくない。
もうわからないことが多すぎて、頭がパニックになりそう。
お母様のことだって……。
一気に情報が流れ込んで来て、何から考えていいかわからない。
「エスカーダ邸に着くまで、少し寝るといい」
頭上からダリオンの声がした。
先程までの不機嫌さは消え、穏やかな目で見下ろす彼の腕の中で、私は素直に目を閉じた。
思いの外、気が張っていたらしく、目を閉じるとすぐに意識が遠退いて行く。
難しい話はあとで考えよう……きっと、みんなが私の力になってくれると思うから……。
暖かく逞しいダリオンの胸に体を預け、私は安心し切って眠りに落ちた。